2016年2月4日木曜日

年寄りの冷や水

  時よ止まれって叫びたいほど月日の流れは速く、2016年も1月が過ぎて早や立春である。そして、静岡県伊豆の「河津桜」が開花したとか、季節は生命(いのち)の躍動する時期を迎えて老木もにわかに息を吹き返す思いだが、さてさて浮かれるには耐えがたき寒の戻りもあって、日本の四季は世界に類を見ない春夏秋冬の変化自在ぶりではなかろうか。

  が、この新鮮な季節の移ろいをあと何度体感できるだろうか、歳をとるという時の流れに逆らうつもりはないけれど、「身体は大丈夫だろうか」「セリフ覚えられるだろうか」という周囲の声に、否応なく自分の年齢を思い知らされる。それでも現実に1月に2本の映像に出演する機会をいただけたし、関係者のお気遣いをいただきながらも、現役を全うできていることがありがたい。

 さて、今年に入って計13本の映画を観賞したが、その中でイギリス映画『STILL LIFE』(邦題=おみおくりの作法、ウベルト・パゾリーニ監督作品)が印象に残った。エディ・マーサン主演で、役所の役人が孤独死に関わる縁者探しや埋葬に働く様を描いた地味な作品だが、歳のせいもあるのだろうけど自分好みの映像で僕にとっては収穫だった。

 こういう映画を観ると自分も映画の仕事をしたくなるが、正直、まったくの無名で実績もないから、なかなか機会が得られない。まして、歳も歳ですし、昔は多少関わったことがあっても、当時の製作者や監督もすでに亡くなっているので、可能性はほとんど望めない。舞台、テレビが中心だったので余計難しいだろう。

 まぁ、自分に出来ることはもう限られているので、引き際を念頭におきながらも、健康で身体や声が表現に使えて需要(お呼び)がかかるうちは仕事をしたいと思う。

 若いころから旅行や特に歩くのが好きで、これが僕の健康法にもなっているのだが、去年の今頃はイタリヤ(写真はフィレンツェのミケランジェロの丘で)に行ってたが、今年は各国でテロ騒ぎが頻発していて、計画は立てるものの実現に至っていない。旅行も結構体力が要るので、普段から歩きを欠かせないが、なんせ歳だからすべてにスローモーで、時間だけがトット、トットと先へ行ってしまうんだ。

 *年寄りブログ、お読みいただきありがとうございました。
 

 

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