2015年5月8日金曜日

わが家の猫

 もし犬や猫を好きかと問われたら、好きでも嫌いでもない。およそペットなど飼いたいと思ったこともないのだが、1年前からわが家には白猫が同居している。で、同じ屋根の下で一緒の暮らしてわかったのだが、3DKの居住空間の中でほとんどこちらの視界に入らない生き方を、この猫はする。こちらが無関心で放任しているせいなのか、纏わり付いたりじゃれたりすることがまったくない。当初心配していた飼育の面倒の煩わしさもなく、ほとんどほったらかしで済んでるので、少しも邪魔にはならない。

  愛猫家には聞き捨てならぬ無責任と思われそうなので、ここに至る経由を説明しておこう。

 まず、この猫の飼い主は私の娘で、餌や下の世話は娘がやっており、わが家は私と妻子の3人と1匹が構成員である。

 そして、この猫は、私の両親が住んでいた東京・下町の家(荒川区内)に、両親が亡くなったあと、1年ほど空き家状態にして娘が管理していたところ、その間に住み着いた野良猫だったのだ。

  私はすでに別居して久しく、荒川の家は高校を卒業するまで暮らした実家で思い入れもあったが、すでに現住所に生活拠点を構えていたので、家屋は解体撤去することにしたのだ。その際、両親の持ち物である家具・衣類など生活用具をほとんど処分したが、住み着いた猫を放置でぎず、特に娘が飼育を望んでいたので、連れて帰ることにしたのだった。

  自由気ままな野良猫稼業から共同住宅の、それも高層の9階という外には出られないような住居に飼われて、果たして幸せだったのかどうか。おとなしい手のかからない猫だが、1年が過ぎてもその眼には憂いが漂い、飼い主に甘えるところがない。わが家の一員であることに間違いないのだが・・・・

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