2014年3月20日木曜日

訃報でタイムスリップ

 将来の展望が不確かだった新人のころ、新聞社のカメラマンという端役でテレビ映画『ザ・ガードマン』に出演するチャンスをいただいた。先日亡くなられた宇津井健さんが主演して、1965~1971年の長期にわたり放映、視聴率が30%超えの人気番組だった。

 宇津井さん主演の作品にはその後も、現役時代の山口百恵さんと共演された“赤のシリーズ”の『赤い激流』(1977年)に2話、1992~1993年に東映製作・テレビ朝日放映番組『さすらい刑事(旅情篇)』に計3話、出演させていただいた。

 そして、1996(平成8)年の東北新社製作・テレビ朝日系の土曜ワイド劇場『ひまわりと手錠』(山本邦彦監督)で、宇津井さんは車椅子の弁護士役で主演されていたが、私にとっては最後にご一緒した作品になった。もちろん、私などいづれもチョイ役ですから撮影現場で挨拶を交わす程度の関係でした。それでも、人柄の印象は素敵で、陰ながらご冥福を祈っております。

 昨年暮れの12月10日には小沢昭一さんが亡くなり(私の所属する日本新劇俳優協会の会長でもありましたが)先輩格の同業者が、個人的には親しい関係でないにしたも、他界という現実は寂しいものです。特にこの年齢になりますと切実です。

 知人の訃報は己が過去を振りかえさせられる。ただ、命あるもの必ず終わりが来る訳でして、前向きに切り替えないと生きて行けないのも現実です。折りしも只今は彼岸、東京では墓参りがこの時期の慣習で、明日はわが家の菩提寺である浅草の聖徳寺へ出かける予定である。


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