先日、某制作会社のオーディションを受ける機会があって、私が所属している俳優事務所の担当マネージャーから「セリフ覚えのほうは大丈夫ですか」という質問を受けた。そして一瞬、どう答えたらよいのか分からず返答に窮してしまった。「大丈夫だよ、任せてくれ」で済むのかもしれないが、言い訳けなど無意味だという思いと、数々の現場を踏んできた自負から、いささか動揺してしまった。
冷静になって考えれば、人間は歳とともに記憶力が衰えるものだし、俳優のセリフ覚えも例外ではないよ。マネージャーが不安を抱いたり心配しているのは、私がそういう年齢になったということだ。その上、これまで仕事面ではあまり縁がなかったマネージャーだから、私の芝居を直接観ていない。俳優って資質や力量をかわれて何ボのものですから。
ただ、現場で通用しなければ仕事にならないのが芸能界です。セリフが覚えられなければ俳優として致命傷であることは確かなんだ。生涯現役が希望ではあるが、芝居が出来なくなってまでこの職業に拘るつもりはない。だから、最近では年齢を自覚した私生活に専念して、俳優業のほうは暮らしの一部分であればと考えるようになった。
その人のポジションは常に変化するもの。あれだけの大旋風を巻き起こした米国のオバマ大統領も、さきごろの中間選挙では大敗して大変な苦境に立たされた。わが国の民主党も似たような栄華盛衰を辿っている。ささやかな市井の暮らし人も下々のレベルとはいえポジションは移り変わりますから。その辺を肝に銘じておきませんと・・・・あぁ、くだんのオーデジョンは見事に、落ちてしまいました。残念!
*所属事務所 俳協 HP↓
http://haikyo.or.jp/
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