ぼくが所属している俳協で、以前から若手有志が演劇公演を行っていて、今回たまたま観る機会を得た。同じ事務所の後輩ということや、いわば同業者でもあるので、一般のお客さんのように純粋な観賞眼では臨めないので、これまで意識的に敬遠していたのだ。公演は本日のマチネー(昼)で千秋楽を迎えた。
1月27日~31日に新宿区下落合のTACCS1179(俳協所有の劇場)で行われた若芽会・第4回公演「ホーム!」がそれで、首都圏近郊の駅プラットホームで繰り広げられる会社同僚や恋人たちの有り様を描いた作品。出演陣の芝居が等身大の強みなのか生き生きしていて、若者に纏わる現代が活写され、結構面白かった。左藤慶・作、岩尾万太郎・演出で、作者の左藤さんは第17回テアトロ新人戯曲賞などを受賞さている方、演出の岩尾さんは俳優として活躍されている方だ。
冒頭で触れたように、観る側が俳優だと藪睨みを否めない。喜劇的に創られているから、ついつい笑ってしまうのだが、日常的な話の顛末に「・・・だから何なの?」という感想を持ってしまう。しかし、ぼくらが若いころに比べると、今の若い俳優さんは上手すぎるなあ。何かテクニックが凄い。
人間を表現することって、演じる人の人格もモロに出ちゃいますね、人間とか社会の常識を覆して行かないと、演者は前に進めないのかも知れない。俳優はキャリアを積むほど演技が保身的に陥りやすいみたいで、他人の芝居を観ると刺激になる。ぼくは創造物のリアリティーに拘るタチでして、そこに演技の基本を置いている。でも、それは己の価値観に関わることですから“言わぬが花”でしょうね。他人の芝居を観ると「俺は下手だなあ~」ってつくづく感じるんですよ、正直に白状しますけど・・・・。
俳協 HP http://haikyo.or.jp
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