2009年12月25日金曜日

2009 Epilogue 

 世の中が円高、デフレの経済不況で冷え込み、歳末の賑わいも空々しく、今冬の寒さがことのほか身に滲みる。賞与の多寡に揺れるサラリーマン諸兄と違い、俳優などを生業としている身には、世の不景気など埒外の零細稼業なのだが、こういう時だからこそ人々に夢を売りたい、と思うのは役者バカの所以かも知れません。

 戦後延々と続いた自民党の時代が終焉し、政権交代が実現した今年ですが、新しい世を夢みたのも束の間で、選挙公約のマニフェストがことごとく崩壊する有様に、先が見えぬ不安感が募ります。企業や労働者にとっても大変でしょうが、ぼくらの業界もかなり厳しいですね。

 特に高齢ですと、テレビでも映画でもキャステングで役がございません。恋愛物、アクション物、時代物を問わず、働き盛りの年代が配役の大部分で、実社会とその点は変わりません。歳は歳なりに少ないチャンスを生かすしか、出る幕がごさいません。

 先日、企業物のVP(DVD)でおじいちゃん役をやり、早々に仕事納めでした。だから現在はオフ、昨日仕上げた年賀状を今日投函したので、あとは少々の雑用が残っているけれども無事に越年できそうです。まあ、ぼくらの生活は年末も正月も普段と変わらない日常的なものですけどね。

 ぼくは自室の本棚の一隅に、捨てられずに残した映画・テレビの台本(写真)を保存しています。出演作を懐古するためではなく、俳優をやっている意義を確認し、時たま襲われる不毛感から逃れるためなんです。関わった台本の大部分は処分しましたが、思い入れのある本だけ50本ほど残してあります。

 さて、新年はどうなりますか?、景気も年齢も障害ではありますが、ぼちぼち役にありつけるよう心身を整えながら、のんびり構えています。こんなんでいいのかなって気もするんですが世の中が流動的過ぎて、ぼくの手には負えんのです。

 最後までお読み頂きまして有難うございました。

 *所属事務所 俳協 HP↓
      http://haikyo.or.jp/

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