2009年6月8日月曜日

ひとは見かけによなぬもの

 感受性が強く繊細な神経を持っているのが俳優の条件なのでしょうが、人前で演じるという生業の性質からか、一般には“図太い神経の持ち主”と誤解されるところがあります。

 ある人物を形象する段階で、こうでもないああでもないと四苦八苦するのですが、想うように描けないときは鬱状態になるほど滅入ります。人前で堂々と演じているようでも・・・。

 たとえ名優と言われる人でも舞台に登場する直前、映画やテレビの本番直前は、足が震えるほどの緊張感を覚えるようです。繊細さ、気持ちの弱さと意志の強さは別物なんでしょうね。

 人と対する場合、相手の立場や人柄を理解するってことがとても大切ですよね。ところが人はとかく自分の物差しで相手を見がちです。正確に理解することってなかなか難しいものです。

 意志堅固な男だと思っていたら実はとてつもなく意志薄弱だったり、なんてことはよくあります。悪役ばかりやっていると一般のひとからあの役者は悪い人って見られることもありますよ。

 人間関係は誤解の上に成り立っているのかも知れません。けれども、相手の気持ちを汲み取ることや、痒いところに手が届くような思い遣りが持てるといいですね。

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