2016年10月6日木曜日

CINEMA「BRIDGE OF SPIES」

  公開時に見逃していたスティ―ヴン・スピルバーク監督の『ブリッジ・オブ・スパイ / BRIDGE OF SPIES』(2015年)をDVDで、昨晩徹夜して観た。『シンドラーのリスト』をはじめ『ミュンヘン』、『リンカーン』など、同監督の作品ではシリアスな実話ものが好きで、本作も1960年に実際に起きたソ連(現ロシア)のアメリカ偵察機撃墜事件「U-2撃墜事件」を題材にした映画である。

 また、本作『ブリッジ・オブ・スパイ』の脚本が『ノーカントリー』で第80回アカデミー賞監督賞を受賞したジョエル&イーサン・コーエン兄弟が担当しているのも興味深い。スピルバーグ監督がかねてより「20世紀を映像に残したい」と語っているのを実践しているような重厚で見応えのある作品で、いたく感動した。

(C)2015 DREAMWORKS II DISTRIBUTION CO., LLC and TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION.

(C)2015 DREAMWORKS II DISTRIBUTION CO., LLC and TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION.

 この映画のあらすじを簡単に紹介すると、世界が東西の冷戦状態にあった1950年~1960年代が時代背景で、アメリカで保険関係の敏腕弁護士ドノヴァン(トム・ハンクス)が、ソ連のスパイとして逮捕されたアベル(マーク・ライランス=当年度米アカデミー助演男優賞受賞)の国選弁護人になり、死刑を免れない量刑で懲役刑の判決を勝ち取る。この評決でドノヴァンは国民の批判を受けるが、その5年後、アメリカの送り込んだ偵察機がソ連に撃墜され、乗組員(米国側スパイ)が拿捕されてしまう。そこで、再びドノヴァンがCIAの要請で、アベルと米国乗組員の交換をソ連と交渉する役目を担うことになり、迫真のやり取りが展開される。

 サスペンス要素もあるので結末は伏せるが、まだ観てない方にはお勧めの映画です。もっとも、私好みの映画を押し付けるのはいけませんね。同じスピルバーク監督作品でも『ジェラシックパーク』や『ET』等々、夢がある映画が好きだというフアンも多いし、事実、そうした作品のほうが興行的にも当たっておりますからねえ。 


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