先日(9月6日)娘の出身校である明星大学へ、同校の創立50周年記念事業の一環として催された劇団俳小の舞台公演を観に出かけてきた。
演目は『どさ回りのハムレット / 兄殺しの報い』で作者は不詳だが、シェークスピアの「ハムレット」より以前の作品だそうで、古典研究者によって発見されたようだが、土着的で素朴なもう一つのハムレット劇と言えそう。劇団俳小はこの芝居を1998年に初演、日本の大衆演劇の旅公演といった趣向で「翻訳劇ハムレット」を上演し続けている。
また、10年前にはこの芝居の発祥の地、ドイツの古都ゴーダーで毎年開かれている「演劇フェスティバル」に招かれ、本場の宮廷劇場(エクホーフ劇場)で上演している。その模様は日本のマスコミにも報道されたが、ドイツの地元紙などにも高く評価され、字幕付きながら満員の観客に大受けだったそうだ。
今回の明星大学での上演は、6日(土)のみの13:30と17:00の2回公演だったが、実は親友の山中康司(劇団東演)が客演していたので観に行った。個人的には翻訳劇(自分も演ったことはあるのだが)というと、どうも敬遠する気分が強いのだ。今の時代、外国の作品を日本版に脚色し直すならともかく、翻訳の日本語の節回しがどうしても馴染めない。
これは映画やテレビでも同様で、その作品自体の原語を吹き替えた日本語というものに、どうしても馴染めない。原語のニュアンスによって伝わる部分は無視できないし、耳で聞きながら字幕で理解できれば充分ではないか。日頃からそのように思っていたのだが、この度の俳小の芝居を観て、少し考えが変わった。
内なる固定観念に縛られては進歩できないということか、物事を柔軟に受け止めないといけないのかも知れない。縁があって観た芝居だけれど大変面白かったし、勉強になりました。
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