2014年8月8日金曜日

トリュフォ監督の『終電車』

日本人の平均寿命が男女共に80歳超え
世界でも稀な長寿国家になった、とか
数ある国のなかでこの記録は
日本人として嬉しいことに違いないが
個人的にはどういう訳か面映ゆい

居住環境が特段に良いとは思えないし
職場の労務状況も万全ではないし
加えて少子高齢化の切実な問題を抱えて
長生きがイコール幸せとは限らない
寿命の本質を意識してしまう所以かもね

ところで、日本はいま夏休みの真っ最中
窓外には近所の子供たちの声が飛び交い
それがやかましいわけではないのだが
映画でも観に行こうかなという気になるも
この時期は大人が観賞できる作品が・・・・

そこで、昔観た映画をDVDで見直す
フランソワ・トリュフォ監督の亡くなる4年前
1980年制作で同82年に日本公開の
遺作『終電車』、30年も前のフランス映画で
カトリーヌ・ドヌーブ(主演)の出世作でしたね

内容はナチス・ドイツの時代を背景に
フランスの演劇人の様子を描いたもので
1960年代に仏ヌーベルバークの旗手として
華々しくデビューしたトリュフォ監督の
戦後40年を経た作品がこの『終電車』

いま観てもまったく古さを感じないし
制作中は大変な苦労があったようだが
完成後に映画祭で高い評価を集めるなど
いまだからこそ描けたという時代との関わり方
で、力のこもった本作品を残してくれた

人の寿命というか生涯を連想するとき
僕には演劇や映画が欠かせない
勇気づけられたり考えさせられたりする
そんな作品は一生のうち何本も出会えないが
繰り返し観賞できれば充分、と最近思う



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