安価な労働力が礼賛される風潮はいかがなものか。国が豊かになれば低賃金で働く労働者の不満が高まる。かつての日本も産業の振興に連れて賃上げが進んだ。いまは、安い労働力を求めて発展途上国を狙うのだろうが、海外企業を受け入れた国も成長すれば労働者が待遇の改善を要求するだろう。だからこうした振興策は時間の問題で永遠に続くものではなかろう。
日本は戦後の高成長で世界有数の経済大国になったわけだが、この間に途上国がどんどん追いついてきて、いまや産業立国の地位を脅かされている。経済発展を至上の命題にしている限り当然の帰結なんだろうが、栄華盛衰は世の習いという諺を実感してしまう。暗たんたる閉塞感や格差の広がりは嫌だが、未来に期待や希望が持てないわけではない。
人間ってやつは、例えば同額の収入を得たからといって同質の生活が出来るものではない。裕福と感じられる人もあれば、欠乏を感じる人もいる。それは、お金の使い方もあろうし、生き方の問題もあるだろう。もちろん最低限の生計が成り立たないような収入では困るが、日本が敗戦の焼け野原という無の状態から復興したことを思えば、生き延びる術はあるはず。
まあ、ぼくなどはすでに棺桶に片足を突っ込んだ年齢だから気楽なんだけど、日本人は過去の栄華にしがみつかず、たくましく生き延びて行くんだろうと思っている。利益ばかりに囚われていては生活が味気ないしつまらない。楽しくなけりゃあ人生じゃないよね。だから、これからの世の中、文化や芸術に関わる人間が主流になるような気がする。これ、夢かな・・・・・?
*所属事務所 俳協 HP↓
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